景観保護か、道路整備か。鞆地区道路港湾整備計画問題

鞆の浦埋立て架橋計画問題
鞆の浦と言えば、今なお古い町並みが立ち並び、多くの観光客を集める一方で、車で鞆の町中を走ろうと思うと、ご覧の通り窮屈な運転を強いられます。
鞆の浦埋立て架橋計画問題
鞆の町中を走る県道47号線の道幅は細く、時にバスも走行。一方通行の時間帯もありますが、この道路を通らなければかなりの迂回を強いられることになります。かつてはこの道路を片側1車線の道幅に拡幅する計画がありましたが、地権者の合意を得ることができず。
鞆の浦、港湾架橋パイパス計画
代わりに持ち上がったのが海側に橋を架けてバイパスを設置する計画。パイパスが完成すると、鞆の町中に車が入らなくても済むようになり交通の流れが良くなる一方で、鞆の港内にかけられる橋は、鞆の景観を壊すとして多くの反対が集まっていることは言うまでも無い。個人的にも、鞆の景観は鞆の景観のままでこの先、何十年も何百年も残っていて欲しい。

鞆の浦埋立て架橋計画問題
そんな中、ふと目に着いたこの「鞆地区道路港湾整備計画、早期実現!!」の看板。この看板を見て、意外にも鞆の住民の中には、景観保護よりも道路整備を求める声があることを知りました。

景観保護か、道路整備か、この対立した意見の答えは一進一退を繰り返す。2012年6月22日にようやく架橋計画の中止と山側にトンネルを掘削して道路整備する意向が固まったようだが、鞆港4.6ヘクタールを埋め立て、架橋する港湾整備計画を策定したのが1983年12月。もはや30年の月日が経っているその間に、鞆の人口は減少の一途を辿り、1983年に9000人近くあった鞆町の人口は、2008年には5000人を割り込んでいる。果たして山側にトンネルを掘削して道路が整備される日は、本当に来るのでしょうか。

写真撮影日:2011年07月17日

写真撮影日:2012年10月08日

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